来るべき明日が来ない事もある [風景]
3月12日は節分草を撮りにいく日だった。その週末には一人暮らしのお袋の住む熊本へ帰る予定だった。そして明日は来なかった。地震と津波とチェルノブイリと同じレベル7の放射能事故が起きた。
仙台にマンションを買っていた同僚が家をなくした。そんな明日が来るとは誰も思っていなかった。
何があるかわからない。会える時にお袋に会っておこうとバタバタと九州へ向かった。
田舎は春の始まりだった。少し肌寒い風が吹いていたが、春は春だった。
年とともに小さくなる母だったが、相変わらず気丈だった。
住吉灯台へ行ってみた。住吉神社の桜が咲いていた。もうこちらでは桜は終わり始めている。
有明の海は相変わらず遠浅の海だった。諫早の埋め立てがなければ豊穣の海のままだっただろう。
阿蘇の朝も静かな朝だった。ふるさとはやはり暖かい。そのふるさとをなくした人たちがいる。その痛みはどれほどだろう。
東日本大震災で犠牲になった方のご冥福をお祈りします。安らかに眠ってください。