ジョブチェンジ

君は寛容になり

僕はまめになった。

君はありがとうを沢山言い

僕はうなずく回数が増えた

君が日々繰り返し繰り返し行っていた事を

僕が日々の中で同じように繰り返し始めた。

それでもやはり君は君で

僕は僕、

一緒にいてよかったね。

 

雨に唄えば

いくつもの壁を越えて一ヶ月が過ぎた。

まだ、最初のワンクルーでしかないが、とにかく 君は戦いつづけている。

少し元気になった君に笑顔が戻ってきた。

 そう、君が元気なら、たとえ今日の雨でも爽やかに思える。

「また、明日」と言い続けて一ヶ月

「また、明日」で今日も病室を出た。 

 

昼下がりの風景

茹だる様な暑さの後では今日の天気は風もあり心地よかった。

兄は近づくコミケの話をスマホで交わしている。

弟は冷蔵庫の整理をしながら、また一日プリカの予約を追加してる。

母親はそれを目を細めて眺めている。

父親の少し遠くなった耳には外から聞こえる蝉の声しか届かない。

食事の後は疲れ果ててしまうから夕食前のひと時が一番幸せな時間

そろって食事をすることが今は一つの夢になってしまった。 

 

 

 

一喜一憂

グレープフルーツはNG

レアチーズもＮＧ

そんな、ルールを忘れてダメだしみっつ

ダメ出しが多い分、元気の証

昨日と同じ坂を下るのに、まるで別世界

いいさ、喜ぶときは喜んで、気持ちそのままで 

 くよくよ落ち込むしかない時はうじうじと眠れない夜を過ごそう

 そうやって一緒に時を過ごそう

おろおろ

苦しみの横でただ、オロオロとたたずむ。

手を握ることも、励ますこともできず、ただ、おろおろと

倦怠感に包み込まれた横にいるだけ

役立たず・・・ 

それでも君は「ありがとう」かすかな口の動きがそう言った。

 

 

うん、分かってる。

検査痛かった？と聞いたら

検査が痛くて泣いたんじゃないよ。　と答える君

うん、分かってる。

君が感じた事はみんなわかってる。

もし、あなたかそうなったらどう思う？

うん、分からない。

多分、君と同じ、どう受け止めていいかわからない。

そう、それはわかってる。 

一筋の光

闇に閉ざされた中で一筋の光

希望の知らせ

 色んな人にお世話になって悪いね、恩返しはどうしようという、君

それは完治するのが一番の恩返しと

ありきたりの返事しかできなかった。

今日また一日 生きた。

 

いつものように

いつものように、朝起きて

いつものように、自転車で駅まで

いつものように、駅から歩いて会社へ

いつものように仕事して

いつもより早く会社から帰る

いつもと違って駅から北へ上る

つかの間のBCRの面会時間

いつものように笑顔で君は見送ってくれる。

いつもと違って富士見坂を下り君のいない我が家へ帰る。

 そして一日が終わる。

一日一日をもっとゆっくり、もっともっとゆっくり・・・・・・・